「守りたい、そして
幸せになって欲しい」
その変わらないまごころを、
人は人形に託してきました
私たちの想い
かつて、伝染病などにより真っ先に最も多くの命を奪われたのは、産まれたての子どもたちでした。
我が子が為すすべもなく目の前で逝ってしまうのを見守ることしかできなかった時代に、 子どもを持つ多くの親の間で、子どもに降りかかる災厄を「人形」すなわちその子の「人の形代」と考えて移し、「どうぞこの子に災いがふりかかりませんように」という願いを込めた「身代わり」「厄除け」として飾るという習慣が生まれたのです。
そして、運よく我が子が災厄を免れ、無事成長を遂げたときに、その人形の前で家族が集まれることが何よりの喜びであり「生きていられる幸せ」を家族全員で噛みしめられる時間でした。
古来より、日本人が我が子への思いを託し、家族が生きている喜びを実感し、その絆を深め合うための象徴。それこそが「人形」なのです。
わたしたちの仕事の一番のよろこび、それは大切なお子さんやお孫さんの健やかなる成長を願うご家族の優しい気持ちに出会えることです。
赤ちゃんを抱っこするおかあさんの笑顔。
赤ちゃんのほほにそっと手を触れるおばあちゃん。
それを少し離れて見守るおじいちゃん、お父さん。
海外に住んでいる妹のためにお祝いをしたいと考えているお兄さん。
雨の中、雪の中、今日しか来られる日がなかったからと赤ちゃんが濡れないように抱きかかえるお母さん。
新しい命をお祝いする家族の気持ち、その優しい気持ちに出会えること。
それらの一つ一つが私たちの仕事のよろこびです。
ひな人形を飾るひなまつり、五月人形を飾る端午の節句はそんな気持ちをかたちにあらわす日本の伝統行事です。
私たちは人形屋として、明治20年より長きに渡り、ご家族の幸せを願うお客様の「まごころ」に寄り添ってまいりました。
私たちの使命は、今も昔もその「まごころ」 をひとつでも多くのご家庭にお届けすること。
すなわち「ご家族がお互いを大切に思う心を、人形を通じて伝え合うこと」のお手伝いをすることです。
優しい気持ちでもっと笑顔になれるように、わたしたちはみなさんのお手伝いを全力でいたします。
この素晴らしい日本人らしい愛にあふれた風習を、多くのご家庭で受け継いでいただき、まごころと幸せの連鎖を拡げ繋いでいっていただきたいと、心から願っています。